マイ・インターンが最後まで見られなかった話

先日マイ・インターンを見ようと思った。普段はあまり見ない軽い感じのアメリカ映画だけど、疲れてたし最近のコロナでの自粛ムードを明るくしてくれるかな、とかいう軽い持ちだった。

結論から言うと、

最後まで見られなかった。

 

マイ・インターンは確かに悪人は一人も出てこないし、終始ハッピーな雰囲気が漂っていた。多分あのまま見ていたらハッピーエンドに辿り着いたんだろう。

でもあまりにも不幸が起きる要素が多すぎる。そもそもパソコンの立ち上げ方も分からない老人がベンチャー企業で働ける訳ないだろ。私は決して老人を馬鹿にしたり下に見ているわけではない。だからこそ老人がため息を吐かれたり除け者にされるという状況に耐えられない。

もっとも、この映画にはそんな場面はほとんど無い。でもこれがこの映画のもっとも悪質な部分なのだ。こっちが一方的にいつこの老人が辱められるのか、胸を痛めながら見るしかないのだ。あ、この仲良い兄ちゃんはいつデ・ニーロの無能さにブチギレるんだろう。あ、デ・ニーロ...そんな余計なこと言ったら角が立っちゃうからやめなよ(泣)わたし、デ・ニーロに辛い思いして欲しく無いだけなんだけど(泣)

 

そしてこの映画のタチの悪いところは、観ている側(私)の「老人が若者の中に入っていってうまく馴染める訳が無い」という先入観を浮き彫りにしてくる所だ。幸せな世界を描けない私の卑屈さ、いじましさをデ・ニーロとアンハサウェイのほのぼのエピソードを使って容赦なく浮き彫りにしてくる。

 

でも一つ私にも言わせてほしい。

私だってデ・ニーロがもっとハイスペ老人だったら直視できたよ...

でも何だよ、

「電話帳を作る会社に勤務していた」って...

だってその証拠にデ・ニーロ、みんながずっと放置していた散らかっているデスクを朝7時に会社に来て掃除してんじゃん...結局雑用係として機能してるじゃん。何が「ありがとう」だよ。鐘鳴らしてんじゃねーよ。ちゃんと片付けの時間ぶん賃金もらったんか、デ・ニーロ...絶対こんな善良な老人は賃金の話になった時に言うんだよ。「いえいえ、私がしたくてしたことですので」「いや。これも立派な仕事よ」とか言いながらあまりにデ・ニーロが固辞するから最終的には「そう・・・?」ってなるに決まってるんだよ。朝早くに会社に来てゴミ溜めみたいなデスクを片付けているデ・ニーロを想像してみなよ。涙出てくるじゃん... 鐘鳴らして拍手したらそれで終わりじゃねーんだよ。最悪だ。ベンチャー企業の最悪な所を煮詰めたようなシーンだ。

もうここでほとんど見続ける気力を私は失ってしまった。

こう言う設定にするなら元から、会社の人に怒られたりため息つかれたりするけど、スキルアップで自分の居場所を見つけた!みたいなプロットも方が何倍もマシだよ。。。

 

 

やりがい搾取の宗教映画め

 

 

 

 

 

(最後まで見ていないわりに貶める文章を書いて申し訳ありません)

 

 

デ・ニーロ・・・(泣)